2012年4月15日日曜日

Guitar Wood, Rosewood


ーズウッドはよく混乱を招きます。私がルーティエと話すときにもそうです・・・同じ名前がノウゼンカツラ科の仲間にもつけられているからです。ブラジリアン・ローズウッドの名称は「リオ・ローズウッド/バイア・ローズウッド(Rio or Bahia rosewood)」「ハカランダ(Jacaranda)」「ピアノ・ウッド(piano wood)」「カビウナ(caviuna)」「ホンデュラス(honduras)」「obuina」「パリサンドル(palisander)」の種族にも使われています。ルーティエたちは思い描いたギターへの可能性と色調を考慮して木を選び出します。ギターを多少なりとも高価にしているのは、手間賃であって木そのものの値段ではありません。

上の写真の木は全てローズウッドです。Bois de rose, Burma and Nicaraguan, Siam, Honduras, Ocelot ear, palo oleo and Rio, Cambodian, Curatinga, Guatemalan, Domingo, Panamanian, Cocobolo and Aztec, Malagasi, Indonesian, Burmese, Caribbean, Central American, Borneo,といった名前が同じ植物を指すのに使われているので混乱を引き起こすのです・・・「ウェブの達人」は尋ねるかもしれません。「けれどもダルベルギア・ニグラ(Dalbergia Nigra)はどうなんですか」。まるで種には、そこに付けられる科学的な名札があるかのようにです。私の住む地域ではこの類の木々が開花すると、それはパリサンドロと呼ばれています。一部のビルダーや販売業者が信じ込ませようとしている程には高価なものではありません。私自身が作ったり所有したギターが、実はブラジリアン・ローズウッドを使っていない可能性もあるのです。重要なのは、木材の選択がサウンドや組立ての知識に基づいて行われた事であって、それこそが本質的な要素なのです。


熱伝達は何ですか?

私は80ドルちょっと出せば美しい板材を入手できます。道路脇では木材業者やルーティエたちが、500〜6000ドル(そう6千です)の値段で買い求め、そこに「最高の」といった賛辞を付けて法外な請求を誤魔化そうとするのでしょう・・・いかさま師の群れ
私にブラジリアン・ローズウッドを供給してくれる一人、ジェフと最近やり取りしたメールの中で、私は尋ねました。「最近の業者の動向はどうだい」。彼はこう返事を送って寄こしました。

「レナート、
ブラジリアン・ローズウッドの最近の値段はバカげているよ。本当に何の根拠もありゃしない。奴らは良質のブラジリアン・ローズウッドが入手しづらくなっているこの状況につけ込んでいるのさ。この前、アメリカ人に数セット売ったら・・・奴はなんと俺が売った値段の3倍で横流ししちまった。アメリカのルーティエたちはブラジリアン・ローズウッドで作ったギターを2500〜5000ドルで吹っかけているよ。だからブラジリアン・ローズウッドの供給業者も値を吊り上げているのさ。ビルダーだけが儲けるなんて許せないって話さ。堂々巡りの状態だな・・・」Sep.2007

年を追うごとに、私はブラジリアン・ローズウッドの板材が他の木と何ら変わらないことが判ってきました。もちろん素晴らしいサウンドを出すものに出会うこともあります。けれども納得できる値段が付いていることは殆んどありません。大まかに言って、大部分のアフリカン・ブラックウッド(African Blackwood)やラパコ(Lapacho)のほうが、平均的なブラジリアンより優れているのが事実です。ですから、誰にもできる一番のことは、ビルダーにパリサンドロと他の木のベストな組み合わせを選んでもらうことです。これがマッチングです・・・全ての部品が組み合わさって、最終的に美しく鳴り響くのです・・・木に付けられた名札は関係ありません


茶色の世捨て人スパイダーはどこに隠すには?

残念ながら多くの潜在購入者たちはギターフォーラムやニュースグループから情報(それも間違った情報)を入手しています。ここはギター奏者やギタービルダーになりたいと願っている人々に牛耳られています。彼らはユーザーたちを騙し、買い手を自分たちの製品へ引き寄せようとしています。時には大風呂敷を広げ、あるブランドのものを買えば幸せになれるし、他のものを買ったら不幸になる、といった偽りのメッセージを送るのです。私は演奏者の視点に立ってギターを追求していることを訴えることで自分の信用を築いてきました。自分でギター作りを起業するに先立ち、私はヨーロッパの最高レベルのビルダーたちを訪ねていました。決して「この組立てには何の木を使っているのか」という質� �はしませんでした。私がビルダーに求めたのは「演奏し易いギターを探しています。高音は美しく鳴り、低音が明瞭なギターです」。ビルダーはこの要求に最も近いと思われる1本を差し出してくれたものです。たいていはビルダーお気に入り1本で、それだけが私の求めるサウンド特性を持つこともしばしばでした。それを眺め、もし見た目が気に入れば弾いてみて、買い求めることもありました。30年以上クラシックギターを弾き続けてきた中で、決してブラジリアン・ローズウッドに適合するものを見つけていなかった事が判ってきました。そして私は数百本のギターに触れています。したがって、私には以前にばか者たちの集まりと述べた人々に呼びかける充分な根拠があるのです。


ロブスターは何ですか?

この黄色いラインで分割されたブラジルとパラグアイの奇抜な写真は「友好の橋(Puente de al Amistad)」で撮りました。この橋はパラーニャ河に架かっていますが、地球上で最多な物資が行き来する地点の一つです。物資はブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの間を移動し(この3国は半径数マイルの円内で接しています)、また遠隔地への通過地点としてパラグアイを通っていきます。合法的貿易にも密輸にもこの場所が使われます・・・国境当局の目をくらますために、物資を対岸に運ぶには小さな木船が使われます・・・この3国国境は地球上で戦略的にも重要地点であるため、アメリカ海軍の基地も近くにあります。私が使っているブラジリアン・ローズウッドの大半もこの橋を渡ってアスンシオンに運ばれてきます。それは例えばカスカヴェウ、リオ・デ・ジャネーロ、ミナス・ジェライスからやって来ます。

ローズウッドについての周知されていない性質一般的に求められ質よりも遥かに重要です・・・木目の細かさです・・・高地で成長する木(イタリアン・パイン)にとっては山頂が最適であるように、ローズウッドにとってはジャングルの最奥部が成長に最適です。熱帯雨林の葉が繁っていれば光を遮られるからなのです。こうした条件下ではローズウッドは非常にゆっくり成長しますので、最高の音を生む板材には欠かせない現象なのです。


成長のしかた。これがローズウッドを選ぶポイントです。従って、ある種の木のように丈夫イコール最上品ではなく、その木がどういう環境に耐え、どう育ったかで品質が決まるのです。熱帯雨林の木に憑りつかれ、果ては地球温暖化によるニ流品の板材を手に入れたり、5〜6枚の異なる板材を組合わせてギターを作りよりも、今日では他の木材を使ってギターを作ったほうがはるかにマシなのです。私の経験では、アフリカン・ブラックウッド、ココボロ、ラパコ、ボリビアン・ローズウッドを裏板と側板に使うと良い結果が得られることが判りました。ラパコは、ブラジリアン・ローズウッドと同じカテゴリーの、パラグアイにある「広く知られていない」変種で、コストがわずかに安く済みます。ボリビアン・ローズ� �ッドは南ブラジルとボリビアの国境付近の葉に覆われた素晴らしい高地で育ちます。私は20年以上ギター製作に関わってきましたので、ギターを手にして使われている木材の種類が判らないことは滅多にありません。

あなたが捜し求めているサウンドを説明して、あなたが信頼するビルダーや人に最高の仕事をしてもらえるようにしましょう。

ローズウッドの乱伐に責任があるのはルーティエではなく、木から高価なオイルを搾り取る香水産業・・・そして勿論、家具産業です・・・あなたの地理の知識を再確認してみましょう・・・アマゾンの熱帯雨林はベネズエラ、コロンビア、ペルー、ボリビアといった他の国々にも及んでいます・・・それに、為政者と環境保護団体が私たちを信じ込ませようとしているほど、実際には悲劇的ではない状況を彼らは誇張しています。




これは開花時期の、最も生い茂ったローズウッドの木です。なんと素晴らしいでしょう。アスンシオンのメイン通り沿いにはローズウッドの並木があって、毎年約1週間、花が咲きます・・・息を呑む光景です。この木のボリビア種とインディアン種は黄や白の花を咲かせます。

私はよく言うのですが、インターネットはあらゆる局面でのグローバル化の状況を知り感じることに最適の場所です。私の住んでいる場所のような無名のマーケットが、世界規模の市場取引を狙い撃つことも可能な、優れた窓でもあります・・・田舎のルーティエのような人間にも、自分の仕事を世界中の多数の閲覧者に提供することを可能にしてくれます。

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